<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
劇場版アニメの王道を行くような展開に、ソフトバンク4年連続日本一への期待を勝手に感じている。今季は新型コロナウイルスの影響を受けた特別なシーズンの中でさまざまなドラマがあった。
昨年ケガに泣いた柳田の大爆発。開幕時にはいなかった千賀、中村晃の活躍。長谷川はコロナ陽性から回復し、プロ初の満塁本塁打も放った。完全復活したベテラン和田は、プロ18年目にして初めての優勝決定戦で快投。シーズン後半には周東が覚醒し、連続試合盗塁の日本新記録も達成した。
そしてここにきて、ルーキーの海野や柳町が1軍を経験。歴戦の強者であるバンデンハーク、デスパイネといった助っ人たちも戦線に帰ってきた。続々と仲間が集まってきて、CS、日本シリーズへと続く「最後の戦い」に向かっていく。まさに、胸が熱くなるようなクライマックスになってきた。
そういう目で見ると、やはり「主人公枠」は栗原陵矢捕手(24)だろう。プロ初の開幕スタメンからシーズンを通して試練を乗り越えながら、成長してきた。中学生の頃、初めてナゴヤドームで生観戦したプロ野球で投げているのを見て「すごいピッチャーだと思った。ワクワクしました」という、ロッテ・チェン・ウェインから本塁打も打った。ドラマチックな展開だ。
未体験のポストシーズンに向けて栗原は「ここまできたので、後は楽しんでやるだけというか、思い切ってやるだけ」と若々しい。集結してきた強力な仲間たちと、“ラスボス”を倒しに行く。【ソフトバンク担当=山本大地】
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