2014年10月10日 (金)開催 | 基盤教育研究分科会

ワークショップデザイン入門セミナー

レポート:HRDM副理事長 堤宇一

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こんにちは、堤宇一@人材育成マネジメント研究会です。東京大学の安斎勇樹氏をお招きし、10月10日(金)ワークショップデザイン入門セミナーを開催いたしました。本セミナーに「企画者」&「学習者」双方の立場で関わりましたので、双方の視点から活動報告をレポートいたします。





■企画者の視点

1)企画趣旨その1:ワークショップの設計理論をキチンと学ぶ機会を提供する
 企業の人材育成や研修開発に携わっていると、深い意図もなく「ワークショップ」という表現を用いる講師や教育ベンダーに、いやというほどお目にかかります。体外そういった方々は、ワークショップの定義をせず「○○についてグループ討議させ、その過程で気づきを促します」などといった説明をされるのが一般的です。
何故その討議の中で気づきが生まれるのか、何を気づけかせるのかという企画者としての見立てがないように感じます。学習活動や展開方法を緻密に設計もせず、研修での埋め草や盛り上げの演出として提供している場合が多いと感じています。
ワークショップが正しく機能するためには、どのように企画し、学習活動をどのように設計するのか、その理論を議論したいというのが、1つ目の企画意図です。ワークショップでのファシリテーションTipsを紹介するのではなく、企画のセオリーを提示することが一つ目の目的です。

2)企画趣旨その2:レゴブロックを用いることがワークショップだという誤認識を変える
 ワークショップでの活動として、真っ先に挙げられるのがレゴブロックを使用した表現活動です。セミナー企画に際して、最初の打合わせで「レゴブロックを使わないでセミナーを実施したい」旨をお伝えしました。
「例のレゴを使ってヤルやつでしょ」という一般的に持たれている誤認識を変えるために、レゴを使わない創造活動の設計方法を考えることが、2つ目の企画目的です。

この上記2つの難問に、安斎氏は見事応えてくださいました。

■学習者の視点
1)セミナーの流れ
 事務局の堤が、HRDMの活動趣旨並びに本セミナーの企画趣旨の説明を短めに終え、バトンを安斎さんにお渡して、セミナーがスタートいたしました。「ワークショップは、私にとって○○である」という見立てを用いての自己紹介からスタートいたしました。見立てによる外化を行い、語りと内省を促進するという設計が自然な形で組み込まれています。

 次はワークショップの基本構造の講義です。本セッションは、この次に展開される創造活動セッションの伏線であり、知識習得の機会として位置づけられています。参加メンバーと双方向なやり取りの中で、次の3つの情報(基礎知識)が提供されました。DSCF2391.JPG
「ワークショップの基本構造」「ワークショップの特徴」そして「ワークショップの本質である"遊び"」についてです。

 そして、知る活動を通じて得た"遊び"を見つけるワークショップの体験です。チームに分かれ「小人がいる場所を見つけ、その場所を写真に撮り、どんな遊びをしていたかを寸劇で表現する」という創作活動です。何ともファンタジー溢れるお題ではありませんか!
しかしながら、私たちのチームは、このお題に対して最初は戸惑うばかりでした。どう考えればよいのか、アウトプットイメージも湧かず、・・・取り敢えずランチを取りに町中をブラブラしながら、手がかりを探し、写真を撮りました。すると、だんだんと構想が形になり、2時間の制限時間内に課題をやり遂げることができました。

                  Aチーム発表.jpg            Bチーム発表.jpg

 ワークショップ理論と体験の次は、本セミナーのコアである"ワークショップのデザイン"です。職場の問題をチームメンバーがそれぞれ4~5個挙げ、その中からワークショップで解決するテーマを一つ選定し、ワークショップの企画を構想します。構想を練る.jpg
乗り越えるべき関門が2つありました。一つが、職場課題を分析し問題原因を整理し、解決可能な学習目標に具体化する工程です。そしてもう一つが、学習目標を達成するための創作活動を設計する工程でした。

 
 最後にワークショップデザイン活動の振り返りとディスカッションです。沢山の気づき点が紹介されましたが特に印象に残った教訓は次の内容です。
「ワークショップデザインの際に議論が息づまることがしばしある。その原因の一つに使用ワードや価値観に対する固定観念であり、どんな意味やイメージで用いてるのかを再度確認することは、ブレークスルーの有効な方法である」

2)ID(インストラクショナルデザイン)とワークショップの相違点
 普段、インストラクショナルデザイナーとして人材育成に関わっている筆者は、今回の受講はとても有意義で、驚きの連続でした。本セミナーから、「ID」と「ワークショップデザイン」の違いを、以下のように解釈いたしました。

◆扱おうとしている対象物の違いと理解のためのアプローチがIDとワークショップでは異なる
 得意とする範囲と表現した方が良いかもしれません。IDは知識やスキルを得意としています。ワークショップは、認識や情意を扱うのが得意のようです。得意とする対象物の違いは、学習活動に対して差を生じさせます。
IDは体系的な知識やスキルが得意領域ですから、学習活動は効果性(エフェクト)を求めます。学習者に対して解を提示するなど、直接的に理解させるアプローチを取ります。
ワークショップは認識の変容や問題の再定義などを得意とします。アプローチ方法として、変容状況や状態を直接的に提示することは無理ではありませんが、そのようなアプローチでは効果が期待できません。学習者に本質的な問題や質問を投げかけ、学習者自身で解を導いてもらうよう誘引します。間接的に理解させるアプローチをとります。認識の変容には、効果性を重んじたアプローチは向きません。学習活動の中で生じる衝撃の強さ、言い換えれば影響(インパクト)が鍵を握ります。ですから創る活動と内省活動を通じて、物語を紡ぎ、意味化し、別の視点を得るという遠回りの方法をとるのだと感じました。
遠回りではありますが、他者刺激以上に強い影響を自分自身から得ることができるのだと思います。

ご指導いただきました話題提供者の安斎さん、熱心にご参画いただきました参加者の皆さま、ありがとうございます。そして、お疲れさまでした。
以上



開催日 2014年10月10日 (金) 10:00~18:00
学習テーマ

近年、さまざまな領域でワークショップ(以下WS)が着目され、企業における導入事例も増えてきています。ところがWSの効果と方法論が正しく認識されているとはいいがたく、単なる「楽しい研修」だと誤解されているケースも散見されます。本セミナーでは、WSを正しく理解するとともに、デザインのコツを掴むことを目指します。

【学習目標】
1)IDやゲーミフィケーションなどとWSの違いや特徴を理論的見地から説明できるようになる。
2)WSを構成する主要要素を自分の言葉で説明できるようになる。
3)WSの使用目的や効用と限界を認識し、正しくWSを使用することができるようになる。
4)2時間程度のWSを自分一人でデザインできるようになる。

【事前課題】
セミナー参加に際し、課題書籍『ワークショップデザイン論—創ることで学ぶ』の全6章のうち、「第1章〜3章まで」を読み、ご参加ください。

※課題書籍:『ワークショップデザイン論‐創ることで学ぶ』
       山内祐平・森玲奈・安斎勇樹著 慶應義塾大学出版会 ¥1,944-

学習目標

1)IDやゲーミフィケーションなどとWSの違いや特徴を理論的見地から説明できるようになる。
2)WSを構成する主要要素を自分の言葉で説明できるようになる。
3)WSの使用目的や効用と限界を認識し、正しくWSを使用することができるようになる。
4)2時間程度のWSを自分一人でデザインできるようになる。

講 師 東京大学大学院 情報学環 特任助教 安斎勇樹氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S4会議室
千代田区神田小川町3-22-14
https://www.meiji.ac.jp/koyuka/shikonkan/copy_of_shikon.html

定 員 30名 ※最低催行人数:5名 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。 予めご了承ください。
参加費 会員:¥20,000-(税込)   非会員:¥30,000-(税込)
参加対象者

本セミナーは、以下に示す業務経験・知識を有した方を想定して開発されています。

■事前課題を実施している。(必須)
■研修講師やファシリテーターを行った経験がある。
■研修の設計・開発を実施した経験がある。

開催概要

研修のデザイン(インストラクショナルデザイン)とワークショップのデザインは何が違うのか。企業においてワークショップはどのように使われているのか、どのようなことが出来るのか。また、どのようにデザインすれば、より効果が高まるのか。そのような問いを掲げながらも、事例、理論、演習を通してワークショップデザインの技術について実践的に学ぶことを目標とします。

■進め方
当日は、以下のような内容について講義やワークを通して理解を深めていきます。

■学習項目
1.ワークショップとは何か
企業におけるワークショップの類型やその意義について概観します。また、研修(インストラクショナルデザイン)やゲーミフィケーションとの違いについても解説します。

2.ワークショップデザインとは何か
ワークショップデザインに関する考え方や背景理論について解説します。また、ワークショップをデザインする具体的な手順についても解説します。

3.事例検討(実践事例と研究事例の紹介)
企業においてワークショップを具体的に活用した実践事例について報告します。また講師がこれまで進めてきたワークショップデザインに関する研究事例を報告し、創造的なコラボレーションを促すワークショップの方法論について解説します。

4.ワークショップのデザイン演習
実際にある課題のもとで、ワークショップデザインに挑戦します。講師のアドバイスやデザインした企画の相互発表を通して、ワークショップデザインのコツを掴むことが目的です。

■事前課題
参加に際し、課題書籍『ワークショップデザイン論—創ることで学ぶ』の全6章のうち、「第1章〜3章まで」を読み、ご参加ください。

※課題書籍:『ワークショップデザイン論ー創ることで学ぶ』
      山内祐平・森玲奈・安斎勇樹著 慶應義塾大学出版会 ¥1,944‐


■写真等記録情報の使用許諾のお願い
小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。
小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。

支払方法と
領収書発行

■支払方法:当日会場受付時に現金支払を原則とします。

■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申し込みの備考欄に「領収書要」と、ご記入ください。会社名(学校名)欄にご記入いただいた宛名で用意いたします。なおそれ以外の宛名をご希望の方は、お申し込み備考欄に、宛名を明記ください。

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