2014年8月 7日 (木)開催 | 基盤教育研究分科会

教育効果測定の基本セミナー(2日編)

参加報告 ‐ 教育効果測定の職場展開を阻むもの

(レポート:HRDM副理事長 堤宇一)

 DSCF2239.JPG講師として本セミナーを担当しました堤が、活動をレポートさせていただきます。今回の開催日程がお盆休暇の前のためでしょうか・・・、開催10日前当たりから、ばたばたとキャンセルが相次ぎ最終的には参加者10名という少人数での開催となりました。人数が少ない分、参加者の方々の質問や疑問に丁寧に対応できました。講師として、とても刺激的で、気づきの多いセミナーになりました。参加者の皆様から沢山の良い質問を頂き感謝しています。



■本セミナーへの参加動機DSCF2252.JPG

セミナーの最初に、参加動機を参加者全員にお尋ねしました。「教育効果測定を社内でスタートしたから」「体験目標に対する効果測定の方法を理解したい」「研修改善の方法を理解したい」など様々なものが挙げられました。中には「"はじめての教育効果測定"を読んだけど、今一つイメージできない点があり参加した」という理由も数名の方から挙げられ、著者として、ちょっとビックリいたしました。どのような点が書籍では分からない、分かりづらいのかをセミナーの中で確認させていただきたいと思いながらセミナーをスタートいたしました。

 

■教育効果測定の実施に当たっての躓き点DSCF2256.JPG

 講師として普段から、教育効果測定を実際に職場で展開するに当たり、皆さんが、どこで躓いておられるのかを知りいたいと思っています。本セミナーは、そのような点をリサーチする機会でもあります。演習中や質疑応答での発言などから"躓き理由"を推測しながらセミナーを進めました。講師個人の推論の域は出ていませんが、以下のような"躓き理由"が見えてきました。

 

躓き理由1】ゴールが不明確なまま研修が実施

教育効果測定の実施目的の一つに、実施した教育が期待成果を発揮しているかどうかを確認することがあげられます。今回の参加者の多くが、その目的で効果測定を行っておられました。セミナー演習や休憩時間での会話の中から一つ目の躓きポイントが見えてきました。ゴールに達成したどうかを確認するために実施する教育効果測定ですが、そもそも研修や教育自体のゴールが具体的に設定されないまま展開されているという事実です。ゴールが曖昧では、到達の有無が判定できませんし、妥当な測定方法やツールを選定する事ができません。教育効果測定実施のための必要条件を満たしていない状況といえるでしょう。


【躓き理由2】実施内容と測定レベルの齟齬

症状は、躓き理由の1に似ていますが原因が少し異なります。研修や教育のニーズは現場から上がるというより、経営層やマネジメント職から人材テーマが人材育成部門に落とされ、それを教育プログラムとして具体化し、実施するというのが一般的な業務手順です。そのプログラム化の工程に問題が生じていそうです。マネジメント層から降りてきた人材テーマを実際にプログラム化される過程で、学習の質が変わってしまうという現象が発生しています。例を挙げて説明しましょう。降りてきた人材テーマが「チームメンバーのワークモチベーションを向上させることのできる管理者を育成する」とします。しかし実施に、研修の中で実施される内容は「部下のタイプの見分け方」や「モチベーション研究の体系」などが学習項目として研修が実施されてしまうという現象です。職場でチームメンバーに対して用いるスキルの強化を期待されているのに、学問的一般知識が研修で提供されてしまうといった事態が発生しています。このような問題が発生する原因は様々考えられます。例えば、人材育成部門に降りてきたテーマについての知見をスタッフが持ち合わさず、表面的な勝手な解釈を行い、それを教育ベンダーに指示しプログラム化させるといった専門性欠如に関わる原因です。また、テーマの壮大さに比べ、使える時間と予算などが見合わないといったリソース不足もその原因になります。例えば、大学機関で2年ぐらいかけて学ぶ内容を1日で習得させるとか、学習内容を使用する機会も与えずに実践力を高めようといった方法の誤りがその典型です。学習内容に対する現実性・合理性の欠如問題が存在していそうです。


【躓き理由3】社内メンバーの知識・スキルや協力不足

研修環境と職場環境との大きな違いの一つに、メンバー間の意識や知識量のギャップが挙げられます。教育効果測定を正しく実行したいために書籍を読み、それでも不十分と感じてセミナーに参加される方々は、既にとても意識が高い方々です。書籍やセミナーを通じて知識も実践での勘所も強化されていきます。そのような方々同士でチームを組み、演習を繰り返し、セミナーで実践力を身につけていきます。しかし、セミナーを終え、職場に戻り、効果測定を試みることになった場合、学んだばかりの知識を職場メンバーに教えながら、セミナーで練習した以上の複雑な内容を、セミナーのような精神的・時間的な余裕のない状況で、誰の支援も得ずに実施しなければなりません。このような状況を例えるなら、ゴルフ練習所でレッスンプロに打ち方を習った初心者が、いきなりトーナメントに参加させられ入賞を期待されるのと同じようなものです。このような状況では、セミナー参加者の負担が大きすぎ、職場に戻って活用する事に尻込みさせる結果になってしまいそうです。職場で使用させたいなら関係者全員に同じスキルや知識を習得させるということが、必要条件かと思われます。

以上

開催日 2014年8月 7日 (木) 10:00~18:00
学習テーマ

本セミナーはHRDMの定番講座です。本講座では、教育研修の効果、測定方法や基礎理論と共に演習を通じて実践力を強化していきます。
初日は、教育効果測定の基本理論や実施手順、効果を出すための研修設計のポイントを理解していただきます。二日目は、初日の学習内容を実践に活かせるよう3つの事例演習を行います。教育効果測定の調査活動全体の具体的イメージを掴んでいただきます。

【開催日時】
1日目:2014年8月7日(木) 10:00-18:00
2日目:2014年8月8日(金) 09:30-17:00

【参考書籍】
『はじめての教育効果測定‐教育研修の質を高めるために』 ¥3,400+税
 堤宇一(編著)、青山征彦・久保田享(著) 日科技連出版社

学習目標

1.教育効果測定の基本的考え方「教育効果測定の実施目的」「教育効果のレベル」「教育効果測定の実施に必要な技術」「教育効果測定の実施手順」の4点を理解し、教育効果を4つのレベルに分類できるようになる。

2.研修設計で鍵となる「学習目標」と「学習成果」について学習し、学習目標の明確化の方法と重要性を説明できるようになる。

3.効果測定実施のための概要計画を、事例に当てはめ立案できるようになる。

講 師 人材育成マネジメント研究会 副理事長 堤宇一氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S4会議室
千代田区神田小川町3-22-14
https://www.meiji.ac.jp/koyuka/shikonkan/copy_of_shikon.html

定 員 24名 ※最小催行人数5名。 開催1週間前に、お申込数が最小催行人数に満たない場合は、開催を中止させていただきますので、予めご了承ください。
参加費 会員:¥35,000-(税込)   非会員:¥45,000-(税込)
参加対象者

本セミナーは、以下に挙げる方々を主たる対象として企画されています。

■人材育成に携わり3年以上の経験を有し、自分で研修企画を行っている方。
■人材育成に携わり3年以上の経験を有し、研修プログラムを社内導入するための決定権を有する方。
■教育ベンダー会社に所属し、研修開発に携わっていらっしゃる方。 

開催概要

教育効果測定に関する基本理論と3つの事例演習を通じて知識と実践力を2日間で強化していきます。

<1日目>
Ⅰ.教育効果測定の理屈を知る
 1)教育効果測定の実施目的
 2)教育効果の分類
 3)教育効果測定の基本的精神と必要な技術
 4)教育効果測定の実施手順
 ※理解度テスト

Ⅱ.学習目標を明確化する
Ⅲ.学習成果を分類する

<2日目>
Ⅳ.教育効果測定の概要設計書を作る(3演習)
 1)通信教育事例
 2)eラーニング事例
 3)集合研修事例

Ⅴ.質疑応答

■参考書籍
『はじめての教育効果測定‐教育研修の質を高めるために』 ¥3,400+税
 堤宇一(編著)、青山征彦・久保田享(著) 日科技連出版社

■写真等記録情報の使用許諾のお願い
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支払方法と
領収書発行

■支払方法:当日会場受付時に現金支払を原則とします。

■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申し込みの備考欄に「領収書要」と、ご記入ください。会社名(学校名)欄にご記入いただいた宛名で用意いたします。なおそれ以外の宛名をご希望の方は、お申し込み備考欄に、宛名を明記ください。

キャンセル
について

申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。
開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。
・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50%
・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100%
・連絡なしの不参加は、参加料の100%