2014年2月 5日 (水)開催 | 基盤教育研究分科会

教育効果測定のための『自由記述式アンケートの設計基礎-開発と分析(2日編)』

                       レポート:人材育成マネジメント研究会 副理事長 堤宇一

 こんにちは、堤宇一@人材育成マネジメント研究会です。堤担当の定番セミナー「自由記述式アンケートの設計基礎‐開発と分析」の活動をレポートさせていただきます。

 色々いただく、ご相談の中に「アンケートを実施し、コメントを沢山収集したものの、どうやって解釈すれば良いのか分からない」「個人の見解や経験だけで判断してもよいのか、正直不安である」といった声を少なからず耳にします。今回のセミナーは、それらご要望やお悩みにお応えする形で、2日間に拡張して実施させていただきました。いつもの質問文の開発を中心とし1日で実施している内容に、解釈基準の開発方法を加え、演習を組込み、実践性を高めるよう再設計しました。そのようなハードな内容にもかかわらず12名の方にご参加いただき、バッチリとインストラクションをさせていただきました。ご参加いただきました皆様、大変お疲れ様でした。

■調査分析結果をばらつかせる主要因を理解する
 本セミナーの狙いは、個々人が一生懸命にデータを読みこんでも、同じデータを分析しているにも関わらず、解釈にバラツキが生じてしまうという現実を理解していただくことです。その解釈のばらつきという不具合の発生原因は、個人のスキルや経験以外にもあり、どんな事がバラツキを生じさせるのか、その主たる原因をキチンと理解していただく事です。だって、原因を知らなければ、適切な対応策が打てないからです。

 そしてもう1点が、調査計画をたて、測定項目を定義し、正しい情報源から情報を収集し、妥当な評価基準を用いて解釈を行うという手順遵守の重要性です。調査活動を計画通りに進めることは、面倒に感じるかも知れません。しかし、それがバラツキの発生原因を排除し、信頼性の高い調査結果を導きだすための重要な手続きであることを、しっかりと理解していただきます。

■測定項目を定義することが調査の要である
 調査目的を明確にし、どの領域からデータを収集すればよいのかを決めることが調査計画段階での要諦になります。

 教育効果は、重さや長さといった尺度で測定可能な物質ではありません。手で触れ、直接見ることの出来ない"イメージ(概念)"です。概念を測定するには、どの現象を概念に含めるのか、あるいは含めないのかの線引きをすることが不可欠となります。日常生活では、そんなことを一々こだわって、考えることなどありません。例えば、「研修満足」という言葉は、よく耳にする言葉です。では、研修受講者が、一体どのような気分や状態になることが研修満足なのでしょうか? 普段ほとんどやらない事を行うことは、容易ではありません。しかし、本セミナーでは、この「研修満足」に代表される言葉の定義を行うことから始め、定義に添って質問文を作るという演習を行います。

■解釈基準を決めてから分析を行う
 「人は見たいように見る」という言葉は、カエサルの言葉(らしい)です。「物事や世界を自分が解釈したいように、勝手に、人は判断するものだ」ということを表現した言葉です。自由記述式アンケートの記述コメントの多くは、多様な意味にとれるものばかりです。それが解釈を難しくし、本当にこの解釈で良いのかという悩みを発生させる原因になっています。
 
 本セミナーでは、収集データを自分勝手に解釈することを防ぎ、合理的判断を促す解釈ガイドラインの開発方法を講義と演習を通じて身に付けていただきます。これも、普段やりなれない事です。セミナー参加者の皆さんは、とても苦労されていました。でもコツさえつかめば、実践を通じてスキルを高めていくことができます。

■実践を通じて独自セオリーの開発を期待する
 本セミナーでご紹介した内容は、一般原則です。それらを是非とも明日から活用いただき、所属組織ならではの独自のセオリーを紡ぎだして、より精度の高い調査活動へと進化させていただく事を期待します。                    以上


開催日 2014年2月 5日 (水) 10:00~18:00
学習テーマ

研修の効果測定で多用される「自由記述式アンケート」に関する設計方法と分析方法の基本的な考え方を2日間で学ぶセミナーです。
本セミナーは、2つの重要な学習事項で構成されています。1つは、「調査目的に適した情報を収集するためのアンケートの作り方」です。もう一つが「収集した情報を適切に解釈するための評価基準の作り方」です。本セミナーは、演習を繰り返し、この2つの知識を強化するように組み立てられています。

 1日目:2014年2月5日(水) 10:00-18:00
 2日目:2014年2月6日(木) 09:30-17:00

<参考書籍>
 『教育効果測定の実践‐企業の実例をひも解く』 ¥2,940-
 堤宇一・木村覚・早川勝夫・柳美里・和田修一(著)  日科技連出版社 (2012)

学習目標

自由記述式アンケートの設計と実施手順を理解し、妥当な分析ができるようになるために、以下に示す6つの学習目標を達成する。

1.アンケート調査で不具合を発生させる3つの主要因を自分の言葉で説明できるようになる(言語情報)
2.アンケート定義書の記載項目に沿って必要な内容を整理できるようになる(知的技能)
3.調査目的に合った測定領域と測定対象(構成概念)を定義できるようになる(知的技能)
4.調査目的を満足させる有効な回答を得るための質問文が作成できるようになる(知的技能)
5.プレコーディング調査とアフターコーディング調査、それぞれの特徴(長所と短所)を自分の言葉で説明できるようになる(言語情報)
6.サンプル・テキストデータとガイドラインを用いて、研修を評価するための項目と基準を作成できるようになる(知的技能)

講 師 NPO人材育成マネジメント研究会 副理事長 堤宇一氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S4会議室
千代田区神田小川町3-22-14
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

定 員 25名 ※最低催行人数:5名 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。あらかじめご了承ください。
参加費 会員:35,000-(税込)    非会員:¥40,000-(税込)
参加対象者

本セミナーは、以下に示す業務範囲や能力を有する方を主たる対象としています。

◆人材育成に携わり研修企画や改善業務を行っている人。
◆研修評価アンケートを実施し、その分析結果を研修改善に用いてい る。しかしながら、アンケート調査の方法について、体系的に学んだ事がなく、アンケート業務に対する不安を抱えている。

<前提知識>
1.研修の設計・開発の経験があること。あるいはベンダーと共同で研修の設計・開発・改善をおこなった経験がある。
 ※研修テーマを講師や教育ベンダーに伝えて、後はまる投げ的業務しか経験のない方や研修の運営業務しか経験のない方は不適格です。

2.自由記述式のアンケートを自分なりに工夫し作成し、それを用いて研修評価を行った経験がある。

開催概要

研修を正しく評価し、改善に活かすための測定ツール「自由記述式アンケート」の設計方法と分析方法の基本を2日間で理解します。

<セミナー概要>
本セミナーは、教育効果測定の基本講義を踏まえた後、演習用の自由記述アンケートの分析からスタートします。この分析結果を題材として、分析結果をばらつかせる主原因は何かを検討します。ばらつき原因を最小化するために、どのようにアンケートを開発すればよいのかグループ演習を繰り返し行います。演習を通じて、調査の基本的な考え方や測定領域の設定、質問文の作成という主要なスキルを高めていきます。もう一つの重要な演習は「分析基準づくりと分析」です。この演習を通じて評価項目と解釈基準の設定のポイントを掴んでいただきます。

<主な学習項目:1日目>
 ★オリエンテーション  (10:00開始)
 1)教育効果測定の基本と調査方法の概要
 2)アンケート分析演習(個人)
 3)分析結果のバラツキの発生原因
 4)アンケート調査の実施手順
 5)アンケート調査の実施目的の整理
 6)アンケート定義書
 7)データ収集領域の整理(構成概念の定義化)
 ★初日の振り返りと明日の予告

<主な学習項目:2日目>
 ★初日の振り返りと2日目のアウトライン  (9:30開始)
 1)質問文の作成
 2)評価基準の作り方と分析手順
 3)評価項目&基準の作成とデータ分析-1
 4)評価項目&基準の作成とデータ分析-2
 5)評価項目&基準の作成とデータ分析-3
 6)プレコーディングとアフターコーディング
 7)その他の留意事項
 ★まとめ&質疑応答

■参考書籍
『教育効果測定の実践‐企業の実例をひも解く』 ¥2,940-
堤宇一・木村覚・早川勝夫・柳美里・和田修一(著)日科技連出版社 (2012)

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