2013年5月18日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

企業実務と著作権について -著作権法改正の実務への影響-

                       参加レポート報告  HRDM会員 宮本衣里

DSCF1619.JPG教育コースを開発・流通する上での重要知識として「企業実務と著作権について」をテーマに、凸版印刷法務本部・大野郁英さんを講師に迎え、著作権の基礎的な知識から2013年1月1日に施行された著作権法の影響について、学習しました。

 

 DSCF1623.JPG

 

 

 

◆当日のアジェンダ
1.著作権法の基礎
2.企業の起こしがちな著作権上のトラブル
3.著作権法改正の企業実務への影響
4.企画業務に関わるトピカルな話題

 

■著作権法の基礎
 まずは、著作権の基 本的な定義とその構造をお話しいただきました。普段から聞き慣れている「著作権」とい
う言葉ですが、認識があいまいであったことに開始早々気づかされました。
具体的には、著作権とは、特許庁に登録して初めて権利が発生する産業財産権(商標権、意匠権、特許権)と
異なり、製作と同時に製作者に権利が発生すること、著作権の中に「著作者人格権」と「著作財産権」があり、「著作財産権」は他人に譲渡や相続が可能だが、「著作人格権」は譲渡、相続ができないことを学びました

 日ごろの実務では、外部ベンダーに企画を発注し、製作物に対して対価を支払うことも多くありますが、対価を支払うとつい自社に全権利があるような錯覚に陥っていることに気がつきました。

  DSCF1622.JPG DSCF1621.JPG DSCF1620.JPG

■企業の起こしがちな著作権上のトラブル
 実際に著作権関連のトラブルが生じた事例を中心に、裁判になった際の判断軸を学習しました。著作権侵害の
判断は①依拠性(実際に対象となる著作物を見たのか)、②類似性(対象となる著作物と似ているか)で行われます。写真を真似てイラストにした場合や、商品写真のような簡易的な写真であっても、著作権の侵害と判断される可能性があることを学びました。こういったトラブルを防ぐ方法として、業務を委託する際の契約書の文言例も教えていただきました。

 紹介いただいたトラブル事例で、似ているかどうか判断に迷う材料写真が著作権侵害を認めらたれことに、驚きました。企画を依頼した外部ベンダーが著作権を侵害し、結果的に自社が著作権侵害となってしまう可能性があることについても認識を新たにしました。 

■著作権法改正の企業実務への影響
 2013年1月1日から施行されている著作権法改正について、私たち実務への影響を解説頂きました。今回の改
正は、商習慣上、既に行われていたものについて法整備を行った点が多かったとのことでしたが、実務にもっとも影響が大きい項目は、付随対象作成物(いわゆる「写りこみ」)をその写真の著作物の利用に伴って利用
できるようになった点だと教えていただきました。
これまでは、屋外で撮影した写真にキャラクターの看板が写りこんでいても、その権利者から訴えがあれば、
権利侵害と言わざるを得ない状況であったものを、製作者の利益を不当に害しなければ、その利用を認め、複製や翻案ができることとなりました。

 ただし、どの程度までを写りこみとするかの線引きはあいまいであるとのことですので、写りこみであることを客観的に説明するための根拠を準備しておく必要がありそうです。

■企画業務に関わるトピカルな話題
 肖像権について、2012年に初めて最高裁まで争われた事例が発生したことや、TPP交渉の中で、著作権保護期間についての交渉が行われる可能性があることを学びました。特に、TPP交渉では、貿易における関税だけでなく、著作権にも影響があることを知り、驚きを感じました。今後のTPP交渉の行方を新たな視点で見ることができそうです。

☆全体を通して
 日ごろの実務において研修教材製作の際、受講者の記憶に残りやすくするために、写真や書籍からの引用、映像等をスパイスとして多用しています。今回改めて「著作権」を学び、日ごろのそうした工夫が、著作権侵害になりうる危うさを含んでいることを痛感しました。
 利用する前に権利の所有者を確認したり、契約締結の際の文言を留意したりすることに加え、自分以外の方々が製作した製作物は、決して自分のものではないことの認識を持ち続けることが大切であることを実感した一日でした。

以上

 

開催日 2013年5月18日 (土) 14:00~17:00
学習テーマ

今や誰しもが著作権について注意を払わなければならない時代になりました。特に、教育コンテンツ開発や教育事業に関わる方々にとっては尚更です。
著作権とは何か、著作権法の基本的内容を踏まえ、その実務適用を考えてまいります。

講 師 凸版印刷株式会社 法務本部 課長 大野郁英氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S3会議室
千代田区神田小川町3-22-14
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

定 員 30名 ※最低催行人数:5名 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。 予めご了承ください。
参加費 会員:¥2,000-(税込)   非会員:¥8,000-(税込)
開催概要

企業実務において起こしがちなトラブルを題材に、著作権の基本的な知識を確認した上で、昨年6月に改正され本年1月より施行された著作権法改正の内容を紹介します。
そして、実務へどのような影響があるのかを考えてまいります。

また、昨今のインフラ、ネットワーク環境の変化に伴う、さらなる法改正の動向や近年注目された肖像にかかわる判例など、企業実務で話題となっているトピックスをご紹介します。

1.著作権の基礎
2.企業における起しがちな著作権上のトラブル
3.著作権法改正の内容と企業実務への影響
4.企画業務に関わる最近のトピカルな話題

■写真等記録情報の使用許諾のお願い
小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。
小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。

支払方法と
領収書発行

■支払方法:当日会場受付時に現金支払

■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申し込みの備考欄に「領収書要」と、ご記入ください。会社名(学校名)欄にご記入いただいた宛名で用意いたします。なおそれ以外の宛名をご希望の方は、お申し込み備考欄に、宛名を明記ください。

キャンセル
について

申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。
開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。
・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50%
・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100%
・連絡なしの不参加は、参加料の100%