2013年2月 2日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

ISO29990(学習サービスマネジメントシステム)の規格概要と要求事項

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参加報告    (HRDM会員:水元孝枝)

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2月2日(土)に「ISO29990規格」の勉強会が開催されました。参加人数は9名でした。
今回の勉強会では「①ISOとは?を知ること」「②ISO29990の概要を知ること」「③具体的にどんなことが求められるのかを(ケースを使って)知ること」の3部構成で行われました。
参加者のほとんどはISOについてあまり知識が無い、もしくは知識はあっても仕事上直接的な関連が無い、という状況でしたが、勉強会の前半部分で「そもそもISOとは?」についての基本的な解説をして頂いたため、後半部分の、「ISO29990の概要」「ケース演習」までの一連を学習することができました。通常は2日間かけてじっくり行うような内容を、エッセンスを抽出していただくことで全体像や概要をつかむことができ、とても充実した3時間でした。

■本日の勉強会の学習目標は以下の3つ
1.ISOとISOマネジメントシステムについての概観を理解することができる。
2.ISO29990の概要、策定された背景・目的、構築のメリットを理解できるようになる。
3.ISO29990の要求事項の概要を学ぶことができる。
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■ISO及びISOマネジメントシステムの概要
1.そもそもなぜISOが必要なのか
目的は「世界中の人が求めるべきレベルを手に入れることができるように、世界の様々な規格を標準化し、各国間の円滑な貿易、技術交流を推進するため」とされています。
身近なISOとして、紙のサイズ、PCのキーボード、フィルム、意外なところでは「美味しい紅茶の入れ方」などというものもあります。

2.ISO規格に対する日本の対応
ヨーロッパ各国が盛んにISO規格を作っています。規格制定に自分達の考え方や意見を反映させたほうが良い(有利)という判断から、日本も規格を作る段階で参加し、日本側の要望を伝えています。

3.ISOマネジメントシステム規格とは
PDCAサイクル:P(Plan=計画、トップの方針)→D(Do=実施及び運用)→C(Check=点検)→A(Act=見直し)を組織的に回し、継続的に改善していくための実績あるフレームワーク

ISOは上記をいろいろな場面に展開したもので、代表的な規格として「ISO9001(品質)」「ISO14001(環境)」「ISO27001(情報セキュリティ)」が知られています。今回の勉強会で扱う「ISO29990(学習サービス)」は、2010年に制定されたもので、「ISO9001(品質)」の内容の中で学習に特化したもの(学習以外を除外したもの)と考えると分かりやすいです。
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■ISO29990の概要

1.ISO29990の規格の目的とは
1)学習サービスの設計、開発、提供、管理に関する共通認識を学習サービス事業者とその顧客に提供すること。
2)質の高い専門的な学習サービス実施のための包括的なモデルを提供すること。

2.ISO29990が作成された背景とは
発案国はドイツ。EU諸国では学習サービス市場の国際化が進んでおり、ドイツにおいては学
習サービスは輸出産業であったため、学習サービス事業者を評価する国際基準の必要性が
高まりました。

3.ISO29990に対象となる学習サービス事業者の一例
 ・学習塾
 ・語学教室(英会話スクールなど)
 ・民間職業訓練期間
 ・資格取得を目的とする各種スクール
 ・企業内研修を請負う研修事業者
 ・生涯学習を支援する各種講座・教室
 ・その他、料理教室やゴルフスクールなど

4.ISO29990を活用するメリットは
今回の勉強会の参加者も、冒頭では「本当にISOって必要なのか?役に立つのか?」「言葉は聞いたことがあるが、何をやっているのか?」という疑問を持っていたようでした。具体的に挙げると
 ・提供する学習サービスの品質向上と継続的改善が実現
 ・受講者、参加者、顧客からの信頼度向上
 ・グローバル化への対応(市場の拡大)
 ・協業他社との差別化
 ・組織内での透明性の確保
 ・従業員のモチベーションの向上(自分達がやっていることへの評価が自信につながる)
総合的に考えると、「正しいプロセスを構築することにより、必然的に良い結果が出せる」ということが、メリットと言えます。

5.日本国内の事情
日本では29の会社がISO29990の認証を受けています。
<要求事項を参照するには>
厚労省は、ISO29990の基本的要求事項を踏まえて「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン」を作成しており、以下のURLからダウンロードすることが可能です。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/minkan_guideline/index.html

<ISO29990日本語訳版を入手するには>
JSAのwebページから購入することが可能です。
http://www.webstore.jsa.or.jp/

■ISO29990の要求事項のポイント

1.ISO29990の要求事項(目次の抜粋)
「学習プロセス及びプロセスに関する要求事項」と「学習サービス事業者のマネジメントに関する要求事項」とに分かれます。
<学習プロセス及びプロセスに関する要求事項>
 ・学習ニーズの確定
 ・学習サービスの設計
 ・学習サービスの提供
 ・学習サービス提供のモニタリング
 ・事業者がおこなう評価
<学習サービス事業者のマネジメントに関する要求事項>
 ・経営管理責任体制の整備
 ・事業計画の作成・記録
 ・予防措置・是正措置
 ・財務管理・リスク管理
 ・人事管理
 ・内部監査等

上記をPDCAサイクルに当てはめ、継続的改善をおこなっていきます。
勉強会では、上記の要求項目をケーススタディで学びました。(事例企業としてXYZラーニングサービス社のケースを用いて要求事項一覧表の穴埋めを行いました。)

■まとめ
ISO90001との違いは、「学習サービス事業者の財務管理及びリスク管理」について明言されていることで、これは学校が倒産しないような対策、また、災害などで授業が継続できない場合の対策を文書で示すこととなっています。
ある程度の学習事業者であれば、ISO29990の要求事項を満たすのは難しいことではない、というのが受講者からの感想でした。ただ日本では、他国と比べて認証審査を出す数が少ない傾向があり、改善の指摘を受けることを恐れている(指摘を受けたことで会社から叱責されるのを恐れている)のでは?ということです。「現状をより良くするために審査の結果を活用する」というのが、ISO審査結果に対する本来の姿であるということを学びました。ISOに対しての認識を改めたいものです。ISO29990の要求事項を踏まえて、自社の学習サービスマネジメントシステムを見直してみたいと思いました。
開催日 2013年2月 2日 (土) 14:00~17:00
学習テーマ

非公式教育訓練分野における学習サービスマネジメントシステム規格「ISO29990」の規格概要と要求事項を、事例演習とグループ討議で、実践的に理解する!!

学習目標

本わ談会の学習目標は以下の4項目です。
■ISO29990規格(以下、本規格)の全体像を理解し、自分の言葉で説明できるようになる。

■「非公式教育訓練分野における学習サービス事業者」に、本規格は何を求めているかを自分の言葉で説明できるようになる。

■日本国内で本規格が導入されるようになった背景や経緯を説明できるようになる。

■本規格取得によるメリットや有効性と共に取得時に発生する課題を具体的にイメージできるようになる。

講 師 BSIグループジャパン(英国規格協会) マーケティング本部 マネージャー大貫敏彦氏
会 場

明治大学 駿河台キャンパス 紫紺館 S4会議室
千代田区神田小川町3-22-14
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

定 員 35名(※最低催行人数:5名)  開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。予めご了承ください。
参加費 会員:¥2,000-(税込)   非会員:¥8,000-(税込)
開催概要

一方的な規格の説明に終始する講演会ではありません。
ISO29990規格が要求する事項や重要用語を自組織に当てはめ、イメージできるようになることを目指しています。そのため、グループ討議や事例研究を進めながら会を進めて参ります。
また、研修会社や人材育成部門が本規格を導入する際に障害やネックとなる組織課題を講義とグループ討議を通じて整理していきます。

【主要な学習項目】
 1.ISO29990が策定された背景と規格化された目的
 2.ISO29990の規格概要と要求事項
 3.ISO29990の取得組織の事例紹介(メリットと苦労)
 4.ISO29990の要求事項の解説(自組織への当てはめとイメージ化)
 5.ISO29990構築プランの設計演習
 6.その他

<参加に関してのお願いと確認>
■写真等記録情報の使用許諾のお願い
小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。
小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。予め、ご承知おきください。

支払方法と
領収書発行

■支払方法:当日会場受付時に現金支払
■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申し込みの備考欄に「領収書要」と、ご記入ください。会社名(学校名)欄にご記入いただいた宛名で用意いたします。なおそれ以外の宛名をご希望の方は、お申し込み備考欄に、宛名を明記ください。

キャンセル
について

申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。
開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。

・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50%
・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100%
・連絡なしの不参加は、参加料の100%