2011年8月20日 (土)開催 | 人材育成活性化研究分科会「Expand Network」

社員の心を動かし本気を呼び起こす、感動ムービーのつくりかた

私は何度も見てるんです。
ヤクルトさんのムービーとヤマト運輸さんのムービー。
でも、見る度に泣けてきます。
それは今回の講師の大前さんも同様なんだそうです。

感動のポイントは違います。
でも、いつも同じところでグッときます。

そしてそこにあるメッセージは理屈で説明するよりも早く、強く、納得できます。

そんな2社のムービーを見ることろから感動ムービーの講座は始まりました。

感動ムービーは小手先の技術ではなく、制作者が、誰がそのムービーを見て、見終わった時に何を感じて欲しくて、一番伝えたいメッセージは何なのか。そんなことをよく考えながら進める必要がありそうです。

■価値観を共有するツール

 たとえば企業で言うならば、個人の価値観と組織の価値観を感動体験ムービーを使ってそれらの共通点を結晶化することができる、と大前さんは言います。言葉ではなく、何かのストーリーや誰かの仕事のエピソードが、音楽や写真と組み合わさることで、それは実現されます。耳障りの言い整理された言葉ではなく、感情に響く映像だからこそ、ダイレクトに理屈抜きで納得できたり明らかになるものがあるようです。

■制作演習

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 二人がペアになり、お互いの感動体験をインタビューし合いました。まずは情報収集から始まります。
 まずは感動体験が存在しなければ始まらないというわけです。具体的な出来事が必要ですから、アンケートや今回のようにインタビューを使って情報収集します。

 大前さんから標準的に使っているシートを提供いただき、それを使ってインタビューをし、まとめていく作業を行いました。

 大前さんが実際に制作する時には1000を越えるアンケート情報が集まってくるそうです。その中からムービーに使う素材を集めていくのです。
 このとき、一人の考えや思いで選択するのではなく、必ず複数の人に意見をもらいながらやりましょうとの話がありました。感動のポイントは人によって違うのです。でも多くの人が賛同するのであれば、それはムービーへの採用に値するというわけです。

 今回の演習の中では、お互いに話を聞き、それをひとつのストーリーに仕立てるところまでを行いました。ただ聞いたことを書けばいいと言うのではなく、どの言葉を選ぶか、どの言葉はそぎ落とすか、といった吟味しながらの編集が肝となります。初めての経験と言うこともあり、始まる前から緊張感と弱音らしき声もチラホラと聞こえてきましたが、発表を聞いてみるとジーンとくるものもいくつかありました。たった数十分の演習の中でもこれだけのものができるのか!と少々驚き。発表のバックには大前さんが持っているBGMを流してもらいながら発表者がナレーションをするのですが、これがなかなかのもので、そのままムービーにしちゃってもいいんじゃないかと思うほどの出来映えでした。


■良い感動体験ムービーをつくるために

 良い感動体験ムービーを作ろうと思ったら感受性を高める必要がありそうです。普段から感動に触れ、なぜ感動したのかを考えていくことが感受性を高めるポイントなのだそう。ちなみに大前さんはWebで明治安田生命のCM映像を何度も何度も見るんだそうです。そうやって感受性の畑を耕してから制作に臨むんですね。

 さらに、自分の価値観やあり方との関係に気づくことも大事。そうすると感受性に磨きが掛かっていき、結果的に良いムービーができそうです。

 また、言葉や音楽の選び方、間、表示するタイミングなどにも気を遣います。見る人たちの気持ちになり、ストーリーやエピソードに登場する人の気持ちになり、「ひとつひとつ紡いでいく」気持ちで作ることが必要なんだな、と感じました。

 作為的かどうか、という議論も上がりました。
 ここで感動させてやろう、という作為は見ている人に伝わってしまい、逆に興ざめしてしまうこともあります。演出は必要ですが、その演出は「想いを伝える」ことに使われるべきであろうと私は感じました。そうすれば自然に受け止めてくれるはずです。


■事例紹介

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 今回は最近大前さんが手がけたコニカミノルタビジネスソリューションズでの事例を紹介いただきました。
 
 ムービーを見せていただいた後、ちょうど同社からお一人ご参加いただいておりましたので、その方から詳しい話を直接伺い、制作の苦労や発表時の出来事、その後の思わぬ展開などを聞かせてもらうことができました。制作に関わったご本人がいるということで、突っ込んだ問も飛び交いました。



■全体所感

 「もちろん、ムービーを作ることが目的ではなく、作った後から始まるんです」
と大前さんは言います。

 それを見た人たちが会社や他の同僚達と同じ価値観を見つけたり、次は自分のエピソードも紹介してもらうぞ!と意気込んで仕事をする姿が生まれたり、ムービーを見た以前の部署の仲間から声をかけられたりしてコミュニケーションが生まれたり、新卒採用や期初期末のミーティングで流して活用したりすることで、1本のムービーの価値は予想以上に高まっていきます。

 ある会社ではすでに4本目の制作に取りかかっているとのこと。それだけ感動体験ムービーに力があり、組織に関わる人たちから支持され、価値を感じていただけているからでしょう。

 「で、どんな成果/効果につながっているんですか?」
とのごもっともな質問が出ました。

 残念ながら教育の効果測定と同様に明確に測ることは出来ませんし、測ることもしていないとのこと。それでも、4本目を制作している、という事実は明らかにその効果を多くの人が感じているという結果ではないでしょうか。ムービーをきっかけに部署や拠点を越えたコミュニケーションが生まれたり、組織内が活性化しているようです。それが売上げや利益にどれだけつながったのか、組織文化や活性化の向上にどの程度の影響を与えたかは数値では測れません。それは、感動体験ムービーが私たちの心で感じるものだからではないでしょうか。

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 そのあたりを大前さんは右の図を使って整理して説明してくれました。
 感動体験ムービーの効果は個人においても組織においても「内」なる領域に効いてくるということです。外面的なスキルや業績にダイレクトに効くものではないのです。

 これからムービーを作ろうとされる方々は、こういう点を理解して臨む必要がありそうです。






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 最後にこの言葉をご紹介しましょう。

We are the sum of all the moments of our lives.

 これは大前さんがある映画から拾ってきた言葉だそうですが、とても気に入っていて共感できる言葉だそうです。

 人生はすべての瞬間の積み重ね。

 きっとその積み重ねの中に自分の価値観が作られ、それを見つめ直す時、仕事へのやる気ややりがいのヒントが見つかるでしょう。そしていくつかの感動体験も見つかるかも知れません。それはあなたが所属する組織の感動体験ムービーの素材になるかも知れませんし、制作者としての価値観の基準としてムービー制作に活かされると思います。


○参考


(レポート:HRDM理事 中川繁勝)

開催日 2011年8月20日 (土) 13:00~18:00
学習テーマ

社員の心を動かしやる気に火を着けるための映像活用

講 師 大前みどり 氏 (イーファイブ・プランニング 代表)
会 場

東京都江東区大島 (詳細はエントリー後にお伝えします)

定 員 20名
参加費 会員:¥10,000-(税込)   非会員:¥30,000-(税込)
参加対象者

人材育成にたずさわる方、組織の活性化を考えている方、企業の総務部、人事部、経営企画部等の方々

開催概要

1.感動ムービーの目的と意義
2.サンプルムービー視聴
3.感動ムービーの3つのポイント「感動・共感・浸透」
4.トーリー、エピソードの集め方、引き出し方
5.ムービー編集のプロセスとポイント
6.企業内活用事例紹介
7.ビジョンムービーについて
8.振り返り対話

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