2012年1月21日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

「自己信頼(現在の自己、将来の自己に対して、信頼と希望をもっていること)」の有効性と必要性を考える<第3回> 


自己信頼第3回‐活動報告    作成:HRDM会員 内橋洋美

シリーズ分科会「『自己信頼』の有効性と必要性を考える」第3回が1月21日に行われた。

■自己信頼を育むアプローチを考える
今回はこれまでの2回で行われた議論を踏まえ、「自己信頼について自身が学んだことや内容」、
DSCF0603.JPG「自分なりの自己信頼の意味や定義」、「人材育成業務に自己信頼をどのように位置づけ、活かすか」という3つの問いが事前課題として出されていた。

寄せられた回答をみると受講者がおおむね有効性や必要性について意を得ていると判断できたため、今回は一歩、議論を進めて人材育成の立場から「自己信頼を育むアプローチ」を考えることを中心のテーマとして扱うことになった。

そこで、まずはじめに事前課題に対する回答集を読んで気づいたこと、感じたことをグループで話し合った。

・自信は主観によって作られるものであり、自己信頼は主観だけでなく、自分自身をメタ認知することも含めて複数の視点やフィードバックから作られていくものではないか
・自己信頼を育むには「失敗や経験をどのように捉えなおすか」がカギになると感じる。自己信頼を育むには失敗や経験をポジティブに捉えなおす必要がありそうだが、それを一人で行うのは難易度が高い行為のように思う
・失敗に対する反応について"失敗した「コト」を責める"という反応と、"失敗した「自分」を責める"という反応では自己信頼の育まれ方が異なってくるのでは。自己信頼が高い人は自分の経験をポジティブに捉える傾向があるのかもしれない
・自己信頼を育むにあたって、組織と個人との関係性がどのように影響するのか
・「失敗」を組織もしくは個人がどのように取り扱ったり、認識するのか。また組織と個人における認識の差や違いが自己信頼に影響を与えるなら、組織と個人それぞれの「失敗」に対する考え方が自己信頼を育むにあたって重要になる
・自己信頼が高い状態が求められる状況がありそう
・自己信頼を形成する要素のひとつとして「他者を頼りに乗り切る自信」も存在しそう

という意見が出た。
     DSCF0609.JPG          DSCF0610.JPG
■解決思考アプローチの援用
つぎに自己信頼を育むアプローチを考えるにあたって、笠井氏とHRDM副理事の堤氏から話題提供が行われた。

笠井氏からは解決志向アプローチが紹介された。
解決志向アプローチは問題や原因の追及にこだわるのではなく、未来の解決像を構築していく点に特徴がある。そして関係性において「認める、労う」というポジションを取る点から、コミュニケーションのOSと言えるため、自己信頼を育むにあたって活用できるのではないかと説明された。

■教育観への影響を想像する
つぎに堤氏からは事前アンケートから価値観そのものに影響を与えているのが自己信頼と考えていることが分かるが、そのような前提に立つのであれば、自己信頼を議論するにあたって人材育成を担っている者が、まず自分自身の教育観を捉えなおす必要があるのではないかという問題提起があった。
具体的には

・何のために教育を行うのかという教育の実施目的
・教育者が負う責任範囲
・教育活動の位置づけ
・人材の捉え方

の教育観を検討するための4つの軸があげられた。

■グループディスカッション
続いて笠井氏の解決志向アプローチの紹介と堤氏の問題提起を参考にしながら、受講者それぞれが関心のあるテーマに分かれ、グループディスカッションを行った。
各グループが扱ったテーマは次の3つ。

・自己信頼を育む組織のグランド・ルールとは何か、個人と組織の関係性
・自己信頼を育ませるための研修とは、研修や施策の設計をどのように行うか
・職場で活かすことができる自己信頼とは? サポーティブな組織にするための方法論

各グループでは
      DSCF0641.JPG         DSCF0645.JPG
・自己信頼を高める要素(たとえば、アサーションなど)細かく分類し、それらの要素を積み上げていくことができるような研修を設計する
・自己信頼が高まる経験を疑似体験させるという点で教育という場が利用できる
・自己信頼が育まれる第一歩として、自分自身がありのままの存在として認められる経験が必要
・自己信頼を育むにあたってチャレンジや失敗経験が必要だとしても、会社側が挑戦や失敗を許容しないこともある
・自己信頼の高低は組織に依存するとしたら、社外活動やコミュニティで育んだ自己信頼を会社に持ち運んでくることはできるのだろうか

といった意見が出た。

上司と部下のコミュニケーション不全解消からスタートした自己信頼という概念に対して、3回の分科会を通して議論を重ねてきた。これまでは自分自身の自己信頼など個人の観点で考えてきたが、最終回で「自己信頼を育むアプローチ」という視点で議論をしたことで、組織と自己信頼というまた別の視点で自己信頼を捉えなおす機会となった。組織や他者との関係性を通して自己信頼を考えたことで、人材育成や組織風土の診断・改革に対する応用可能性が感じられて、非常に有意義な分科会であった。

以上

開催日 2012年1月21日 (土) 14:00~17:00
学習テーマ

第3回:「自己信頼」が高まるアプローチを見出す

①第1回・第2回のまとめの講義
②自己信頼が高まるとは? (社会的相互作用に注目しながら) 講義
③上記②について、グループ討議
④上記③の討議内容を、全体で共有のうえ、全体討議
⑤まとめ

※なお、上記学習項目は、事前の案内なく変更される場合がありますので、予めご了承ください。

学習目標

■「自己信頼」という概念を知る
■「自己信頼」が試される状況を知る
■「自己信頼」が高まるアプローチを見出す

講 師 株式会社リクルート ワークス研究所 主任研究員 笠井恵美氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S3会場

定 員 30名 ※最低催行人数:5名 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。あらかじめご了承ください。
参加費 会員:¥2,000-/回(税込)    非会員:¥8,000-/回(税込)
参加対象者

企業内教育に携わる方々

開催概要

 本分科会で取り上げる自己信頼とは、「現在の自己、将来の自己に対して、信頼と希望をもっていること」です。
「努力は報われる」という前提が揺らぎ、不透明感を増長する社会を生きるために、現在と将来の双方の自分を信じる「自己信頼」の重要性が高まっていると思います。自己信頼は、変化と危機のなか、個人が仕事に取り組んでいくときの重要なよりどころとなるのと考えられます。
本分科会では、この新しい概念である「自己信頼」の成り立ちや、定義、データをご紹介しながら、参加者のみなさんと、この概念の有効性を議論し、必要性を検討していきます。それらを踏まえた後、自己信頼が高まるアプローチには何があるか、みんなで経験やアイデアを共有しながら具体的に考えてまいります。

<各回のタイトル>
第1回:「自己信頼」という概念を知る
第2回:「自己信頼」が試される状況を知る
第3回:「自己信頼」が高まるアプローチを見出す

<進め方と各回の流れ>
 各回ともゼミ形式で進めてまいります。
最初に講師から概念や枠組み、役立ちそうな理論を紹介します。その上で、参加者の経験や事例、アイデアを話し合い、自分なりの理解を深めていきます。

<参加条件>
・全3回ご参加いただけること。
欠席者、途中参加者へのキャッチアップにはある程度配慮いたしますが、レクチャーや議論は、前回参加を前提として行います。ご承知おきください。

・自社事例やご自身についてお話しいただけること。
参加者間のディスカッションがありますので、自社の事例やご自身のご経験などをお話しいただけない方は参加をご容赦ください。もちろんお話しいただく範囲は「差し障りの無い範囲内」で結構です。また、お話いただいた内容は原則、本分科会限と致し、取扱いには注意を致します。

・事前課題や次の回に向けての「宿題」に取り組めること。


■写真等記録情報の使用許諾のお願い
小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。
小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。

支払方法と
領収書発行

■支払方法:
当日会場受付時に現金支払

■領収書発行:
領収書をご要望の方は、お申込の備考欄に「領収書要」と、ご記入ください。会社名(学校名)欄にご記入いただいた宛名で用意いたします。なおそれ以外の宛名をご希望の方は、お申込備考欄に、宛名を明記ください。

キャンセル
について

申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。
・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50%
・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100%
・連絡なしの不参加は、参加料の100%