2011年12月 9日 (金)開催 | 基盤教育研究分科会

OJTの再構築 -OJTを3つのモードで考察する- 第3回

OJTの再構築3回活動報告  作成:HRDM会員上村健作

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OJTの再構築も今回で3回目。
今回のテーマは「独り立ちした初心者・見習いを中堅へ」。参加者14名で実施された。

まず、事前課題を全員で確認する。北村先生が参加者に出した課題は、「見習いと未熟であるが何とか独り立ちした状態である『独り立ち』との違いは?」、「独り立ちと職場でバリバリ働ける段階である『中堅』の違い?」、「それぞれの職場で独り立ちした従業員を『中堅』に育てるためにしていることは?」の3点。

先生が参加者のそれぞれの回答をまとめて、特に「独り立ちと中堅の違い」について、コンピテンシー的な能力要素に分解して頂いたものを全員で確認していった。(夜なべして、作成して頂いたとのこと、先生ありがとうございます!)

先生のこの能力要素からみた「独り立ちと中堅の違い」は、指導力、広い視野といった「コミュニケーション力」、問題設定・解決、イレギュラー対応という「コンセプチャル」、幅広く、深い業務知識・スキルといった「テクニカル」等の項目が並ぶ。個人ワークで読み込みをした後、全員で印象を共有。参加者から、「独り立ちはリスクを認知し、対処できる。その背景として、コミュニケーション力が基礎のようだ。ひとりでの経験で対処できることはたかがしれている。いかに周囲の知恵を引き出すか」、「クライアントにより良い提案をしていくには情報受信力も必要」といったものもこの能力要素に加えられた。

先生から、多くの回答に共通してみられる傾向として、中堅になると、会社全体から考えることを求められるようだとの指摘があり、その上でロバート・カッツの『マネジメントスキルモデル』が紹介された。

私も、マネジメントの階層とOJTのモードとの相違はあるものの、確かにロワーレベルでは、テクニカルなスキルを有した専門家でなくてはいけないし、トップレベルに近づけば、テクニカルなことではなく、むしろコンセプチャルなものが要求されるというのは、そのモードごとに必要とされる組織からの期待そのものである。次のモードへ向かわせるためにOJTとして必要な支援・働きかけとほぼ合致している印象を個人的には受けた。またいずれのモードであっても、コミュニケーション力が重要ということも強く感じた。

 また、先生から、独り立ちは、ルーチンワーク、中堅・熟達者は、ルーチンではない業務を担うことが多い。独り立ちまでは教えてもらう、中堅は教え合う、線+面という関係があるとして、ガービンの「学習する組織」が紹介された。加えて、コルブの「経験学習」とその実践形式として、ある企業で行われている成功体験を共有し合う場を創り、自然に自分が省察できるという方法も紹介があった。

その他として、参加者から、「独り立ち」から「中堅」へ向けて、幾つかの職場の実践していることが共有された。「年間目標を一緒に作る、何故なら目標を自分のものとすることができるから」、「中堅になるとモチベーションを上げたりするために研修を受講させる」等。さらに先生からこの「中堅」のモードとして、その他に重要なこととして、やはり、「ストレッチ&フィードバックにより、成長を促進させる。そのための結果のフィードバックには、課題の明確性が必要である」、「後輩の育成の意味は自らの省察になる、知識の不足がわかること。でもたいへん。その対処として、教える先輩のサポートをする指導者メンターが必要だし、同時期に指導を任された人たちのコミュニティをつくるやり方もある」と、ウェンガーのコミュニティ・オブ・プラクティスも紹介された。

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以上、かなり内容の濃い2時間30分。

最後に、改めて、私なりに今回のテーマであった「独り立ちした初心者・見習いを中堅へ」をまとめてみると、私自身の経験を踏まえて言えば、「独り立ち」から「中堅」において、小さな会社であれば、自分1人のことができたなら、経営から、会社全体のことを考えてほしいというオファーが来ることがある。それは短期の全社的プロジェクトであったり、人財の育成であったり、いずれにせよ、これまでやっと努力して「独り立ち」できるようになったと思うと息つく間もなく、次の壁(役割・ロール)が提示される。これをストレッチと言うのかも知れないが、実は同時に次のステージに予想される管理職(マネジメント職)に向かっての準備だったり、他者影響力の行使の演習だったりするのかも知れない。適切な壁を与えることができるのであれば、このモードで学習することが極めて重要であるのかも知れない、そう考えた。

次回は「中堅を熟達者へ」である。終了間際、参加者の1人から、会社が「熟達者」をあえて求めないというケースの話があった。マネジメントと熟達者と会社の経営の三角関係? いよいよ、濃密なテーマには入る。最終回の次回が楽しみだ。

開催日 2011年12月 9日 (金) 18:45~21:00
学習テーマ

第3回:モード2 ~独り立ちした対象者を中堅へと成長させる支援・働きかけ~

 モード2(独り立ちした対象者を中堅へと成長させる支援・働きかけ)のOJTを考えます。このモードでのOJTの基本的な考え方や役立ちそうな概念等(学習する組織、経験学習、対話)を紹介した上で、参加者の経験や実際の職場事例など具体的施策や取り組みを紹介しあい、相互討議を進める。

☆本シリーズ分科会には、課題図書はありません。
ただし、参考書籍として下記の書籍を読まれることをお勧めします。
1)「企業内人材育成入門」
ダイヤモンド社 中原淳編著 北村士朗他著 ¥ 2,940

2)「経験からの学習-プロフェッショナルへの成長プロセス-」
同文舘出版 松尾 睦著 ¥ 3,360

学習目標

学習目標は参加者の皆さんが、自社・自組織のOJTのどこに問題や課題があるかを説明できるようになるとともに、問題や課題へ対処するためのアイデアをできるだけ多く持ち帰ることです。

講 師 熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻  准教授 北村士朗氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S4会議室 (4回ともすべて同会場)

定 員 30名 ※最低催行人数:5名 開催1週間前までにお申込人数が、最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。あらかじめご了承ください。
参加費 会員:¥2,000-/回(税込)    非会員:¥8,000-/回(税込)
参加対象者

企業内教育に携わる方々

開催概要

 企業や組織の人材育成において、職場での学び(ここでは便宜的に「OJT」と呼びます)が極めて重要である点は誰もが認めているところです。一方で「最近、OJTがうまく機能していない」という声をよく聞きます。確かに機能していないのかもしれません。
 ですが、「誰(どの層)に対するOJTが機能していないのか?」「OJTが機能しなくなったのは本当に最近なのか?だとしたら、それはなぜなのか」「機能していない、というのはどういう状態を言うのか」・・・といった一歩踏み込んだ議論をしているでしょうか?
そして、そもそも「OJT」とは何なのか?「上司・先輩による部下の指導」だけが「OJT」なのか? といったことを考えてきたでしょうか?
 本シリーズ分科会「OJTの再構築」では、OJTを中心とした人材育成をより効果的・効率的・魅力的にするために、OJTを3つのモード、
すなわち、
「モード1:初心者・見習者を独り立ちさせる支援・働きかけ」
「モード2:独り立ちした対象者を中堅へと成長させる支援・働きかけ」
「モード3:中堅を熟達者へと成長させる支援・働きかけ」
に分けて考察し議論することで、OJTの何が問題・課題でどのように対処できるかを考えていきます。


<各回のタイトル>
第1回:OJTの現状と問題点・課題を考える
第2回:モード1~初心者・見習者を独り立ちさせる支援・働きかけ~
第3回:モード2~独り立ちした対象者を中堅へと成長させる支援・働きかけ~
第4回:モード3~中堅を熟達者へと成長させる支援・働きかけ~


<進め方と各回の流れ>
 それぞれの回で、各回で講師からモデルや枠組み、役立ちそうな理論を紹介した上で、参加者の経験や事例、アイデアを話し合い、各モードのOJTを進めるための「手札」(=方策のバリエーション)を増やしていきます。

<参加条件>
・全4回ご参加いただけること。
欠席者、途中参加者の皆さまのキャッチアップにはある程度配慮いたしますが、レクチャーや議論は、前回参加を前提として行います。ご承知おきください。

・自社事例についてお話しいただけること。
参加者間のディスカッションがありますので、自社の事例などをお話しいただけない方は参加をご容赦ください。もちろん自社事例に関しては「差し障りの無い範囲内」で結構です。

・事前課題や次の回に向けての「宿題」に取り組めること。
「○○に関する自社の現状について振り返る」といった事前課題・宿題を予定しています。


■写真等記録情報の使用許諾のお願い
小会では、広報活動及び会員サービスの向上に活用するため、ビデオ撮影、音声収録、写真撮影、受講アンケートを実施しています。これら映像、音声、画像、コメント(以下、記録情報)は、小会の関わるWebコンテンツ及び紙媒体の配布資料等に活用させていただく可能性があります。
小会活動へのご参加は、記録情報の活用にご承諾いただけたものとさせていただきます。

支払方法と
領収書発行

■支払方法:
当日会場受付時に現金支払

■領収書発行:領収書をご要望の方は、お申込の備考欄に「領収書要」と、ご記入ください。会社名(学校名)欄にご記入いただいた宛名で用意いたします。なおそれ以外の宛名をご希望の方は、お申込備考欄に、宛名を明記ください。

キャンセル
について

申込後のキャンセルは、早めにご連絡ください。開催の5日前より以下のキャンセル料金が発生いたします。なお、キャンセル料に関しては、後日請求となります。
・開催5日前~3日前のキャンセル料は、参加料の50%
・開催2日前~当日のキャンセル料は、参加料の100%
・連絡なしの不参加は、参加料の100%