2011年6月 4日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

著作権を中心とする教育ビジネスにおける権利関係 2011年版

   6月4日(土)、「トピックわ談会」が開催されました。東日本大震災により開催が延期されていたため、今回のわ談会が基盤教育研究会の本年度最初の活動です。今回の参加者は男性11名、女性3名、また、開催場所は明治大学駿河台校舎紫紺館でした。


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   今回の「トピックわ談会」のテーマは、昨年5月に引き続き2回目となる、「著作権を中心とする教育ビジネスにおける権利関係」でした。セミナーの講師は昨年と同様、凸版印刷株式会社法務本部法務部の大野郁英さんです。

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大野さんは、同社で、長年、著作権等の権利関係に関わる契約実務に携われてこられました。

 

    我国の著作権に関わる法律の歴史は長く、古くは明治時代にさかのぼることができます。従前は著作物を複製するには専門的な技術・技能が必要で、そのため専門業者などを対象とした法律でことが足りました。ところが技術革新が進み、昨今では誰でも複製を作ることができ、また、複製による劣化も起こりません。このため旧来の法律では間尺に合わず、技術革新に従い頻繁に法律を見直さなければなりません。

 

   著作権に関わる基本知識からはじまり、上述の最近の動向に至るまで、著作権侵害の実例を織り交ぜながら、豊かな経験に裏打ちされた大野さんならではの、とても分かり易いセミナーでした。以下、セミナーの内容の一部を紹介します。

 

セミナーの構成
セミナーは以下の構成となっていました。

 

1.著作権の基礎知識
2.著作物の典型トラブル(模倣・無断利用)
3.著作権が及ばない利用について
4.最近の社会環境の変化に伴う著作権の改正状況
5.著作物の利用(権利の輻輳)
6.著作権の最新動向

 

   この中で、2.と3.について、特にセミナーなどの教育コンテンツの作成に携わる参加者から質問が多く出され、関心の高さがうかがわれました。

 

上述の質問を分類すると、
1)教育コンテンツに他の著作物を引用する際の疑問・注意点について
2)作成した教育コンテンツの著作権に関わる疑問・注意点について

となりました。

常識的な判断では思わぬ落とし穴があることにこの質疑を通じて気付かされました。


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インターネット等を活用した著作物利用の円滑化への措置/違法な著作物の流通防止

   デジタルコンテンツの流通促進のためインターネット等を活用して著作物を利用する際の著作権法上の課題を解決するために法律が改正されました。

例えば、インターネット・オークション用に美術品等の画像を掲載することが著作権法上、許容されることになりました。一方、違法なインターネット配信による音楽・映像を違法と知りながら複製をすることについて、たとえそれが私的利用であっても権利侵害になってしまいます。

 

日本版「フェアユース」について
   著作権者に特段の不利益を及ばさないと考えられる利用行為については、「権利制限の一般規定」による権利制限の対象と位置づけることが適当と考えられ始めました。国会が空転し続けていなければこの秋、法制化される見込みです。
この法改正により、例えば、街中で撮られたスナップ写真に偶然、写りこんでしまった広告塔のキャラクター、音楽CDへの録画許諾を得た場合におけるマスターテープなど中間過程での複製、情報ネットワーク産業のサービス開発・提供行為などで検索エンジンを運用するためのデータをサーバーにキャッシュしておくことなどが著作権上、権利侵害にはならなくなります。

 

最後に
   今やだれもが著作権について常々注意を払わなければならない時代になりました。特に教育コンテンツ作成に関わる方々にとっては尚更です。大野さんの解説によれば、ほぼ毎年、著作権に関わる法律が改正されているとのことです。特にインターネットを利用したコンテンツが急増している昨今、不用意な行為が著作権を侵害してしまう可能性があります。

 

    今回のセミナーは私たちの仕事を著作権の切り口から見直すよい機会だったのではないかと思います。講師をしていただいた大野さん、大変お疲れ様でした。ありがとうございました。  (レポート報告:HRDM会員 河面徹)

 

開催日 2011年6月 4日 (土) 14:00~17:00
学習テーマ

著作権とは何か、その要件を確認し、著作権の内容と効果の基本的事項を確認します。
昨年開催し、ご好評をいただきました内容に、「フェアユース」「間接的著作権侵害」など最新動向を新たに付加し、2011年版としてご紹介いたします。

学習目標

1.著作権侵害とならない行為とは何か説明できるようになる
2.最近の社会環境の変化に伴う著作権の改正状況と動向を説明できるようになる
3.著作物の利用上の留意点を説明できるようになる

講 師 凸版印刷株式会社 法務本部 法務部 課長/大野郁英氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S3会議室
千代田区神田小川町3-22-14

定 員 30名 ※最小催行人数5名様。 お申込数が開催1週間前に最小催行人数に満たない場合は、中止とさせていただきます。予めご了承ください。
参加費 会員:¥2,000-(税込)  非会員:¥8,000-(税込)
参加対象者

教育ビジネスに携わる方々

開催概要

1)著作権の基礎
著作権の基礎として、著作物とはなにかその要件を確認し、著作権の内容と効果の基本的な事項を確認する。

2)著作権侵害とならない行為(権利制限規定)
著作権法では、利用と権利のバランスをはかるべく、一定の著作物の利用行為に対しては著作権が及ばないこととしている。その全体概要を踏まえ特に実務上でかかわりの深い、「引用」を中心として権利制限規定について解説する。

3)最近の社会環境の変化に伴う著作権の改正状況
近年の社会環境の変化、ネットワーク環境の発達に伴って著作権法も改正されてきている。
昨年改正施行された改正内容を中心としてその概要を解説する。
・サムネイル利用、データのキャッシュ
・不正コンテンツのダウンロード

4)著作物のモノマネトラブル
著作権のトラブルの多くはモノマネによる他人の権利侵害の問題と、契約の問題であるが、その一つ、モノマネによるトラブルについて、どのような場合にモノマネと解されるのか、その基準を判例から読み取る。

5)著作物の利用(権利の輻輳)
二次的著作物:著作物は複数の者によって作成されることがある。オリジナルの著作物が存在し、これを土台としてさらなる著作物を作成する場合の権利の関係を確認する。
放送番組等を利用する場合、権利者が非常に多い。許諾契約の限界ゆえ活用がすすまない。

6)著作権の最新動向
フェアユースとは?欧米の規定との相違、日本でのフェアユースの導入の方向性を説明する。
行政動向・・・推進計画2011年


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