2011年7月 9日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

人材開発白書2011 戦略実行力

<開催概要>
30℃を優に超える猛暑となった土曜日の昼過ぎ開催にもかかわらず、富士ゼロックス総合教育研究所「人材開発白書2011」の詳細解説を聴くため、19名の参加者が集いました。
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この白書解説は、本研究会で毎年行われる恒例行事なのだそうです。
講師の坂本さんとは旧知の間柄で、私にとっては研究者としての"先輩"にあたります。今回も、その真摯かつ用意周到な研究アプローチと冷静かつ的確な結果分析による素晴らしい研究成果を披露してくださいました。
以下、講演に対する所感を述べさせていただきます。

<研究フレーム>
今回の調査研究は、現場における戦略実行力に着目しています。
M.Porterが提唱するポジショニング戦略を否定するものではないが、それ以上に、他社と戦略が類似する環境下で優位に立つための鍵となるのが"現場の実行力"だ、という実務家(ガースナー、柳井ほか)の主張に立脚し、その詳細を分析しようという試みです。
また、今回の研究フレームにおいて、戦略は「トップからミドルマネージャへ」と「ミドルマネージャから現場メンバーへ」と2段階に指示が伝達されるものとし、今回の調査報告は後者を対象しました。
また、戦略も"部門目標"として期初に策定されるものとしています。

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私は、この研究スコープの設定がいかにも坂本さんらしいと強く感じました。
世の中にはあまたの"(経営)戦略論"があふれていますが、それらのほとんどが単なる"歴史学(人文学)"であり"社会科学"ではないというのが私の持論です。
もちろん、たいへん重要な示唆やコンセプトも数多く存在するのでその内容を否定するものではありませんが、それらを汎化された科学的知識だと誤解妄信してしまうことは危険です。
他方、定量データに基づく社会科学研究とするためには、信頼のおけるデータが収集できるような仮説設定と調査方法の選択が重要です。
今回の研究ではこれらが絶妙に調整されているため、データ分析結果が非常に納得性の高いものになっています。・・・さすが、技術経営博士!!


<調査結果>
詳細は、ぜひ「人材開発白書2011」(定価 5,000円)を購入してご確認いただくことをお奨めしますが、個人的に印象に残ったものをいくつかご紹介します。
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・現場メンバーは70%程度が部門戦略を理解しているが、その戦略の決定理由の理解は50%に留まる。

・部門戦略への現場メンバーは賛同者は60%なのに(それより多い)80%の現場メンバーは自分の役割を果たそうと思う。

・現場メンバーは、部門戦略に対して期初に「納得」するほうが戦略実行度は著しく向上していた。

・ミドルマネージャが、一人ひとりへの働きかけだけでなく他組織への働きかけをすると、非常に戦略実行度が高まる。

・期中における臨機応変な軌道修正が戦略実行度を高める。


その他にも興味深い調査結果が数多く紹介されました。その上で、坂本さんからは"調査結果であるデータだけで(短絡的に)結論を出すのは間違いで、むしろ、これを元に議論し考えぬくことにこそ意味があると考える"としっかり釘を刺されました。
私達は、これらの結果を自分自身で十分に吟味するプロセスを怠らないよう注意しなければなりません。


<講演を終えて>
坂本さんいわく、通常、この白書解説は1.5時間のパックで実施しているので、当初、3時間もつだろうかと心配されたそうです。
しかし、最初の方で"なぜ部門戦略が実行されないのか、その阻害要因は何か"というテーマで参加者によるグループディスカッションを議論が白熱し、その後のグループ討議内容発表では、坂本さんから、再三、"各グループの論点2つか3つを発表してください"と指示されたにもかかわらず、5つくらい平気で発表するグループが続出しました。
結果として、あっという間に3時間が経過し、坂本さんの心配は杞憂に終わりました。
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参加者の皆さんはそれぞれ旧知の方が多く、グループディルカッションやQ&Aも非常に肩肘のはらない自由な雰囲気の中で進められるため、とても効果的でした。私は最近入会した新参者ですが、早く皆さんに溶け込み、より多くを吸収していきたいと切望しています。

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開催日 2011年7月 9日 (土) 14:00~17:00
学習テーマ

メンバーの戦略実行を促進するためのミドルマネジャーのマネジメントを考える

“どのような戦略にすべきか”という議論は、企業の中で頻繁になされるものの、“どうすれば実行させることができるか”という議論はあまりなされないのが現実です。
今回の『人材開発白書2011』では、トップの意思と現場をつなぎ、現場での戦略実行を指揮するミドルマネジャーの役割に焦点を当て、メンバーの戦略実行を促すために、ミドルマネジャーのマネジメントはどうあるべきかを調査結果から考えてきます。

学習目標

戦略実行を指揮するミドルマネジャーのマネジメントポイントが説明できるようになる。

講 師 株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 研究室長 坂本雅明氏
会 場

明治大学 駿河台校舎 紫紺館 S3会議室
千代田区神田小川町3-22-14

定 員 30名  ※最低催行人数5名。 開催1週間前までに、お申込人数が最低催行数に満たない場合は、中止とさせていただきます。予めご了承ください。
参加費 会員:¥2,000-(税込)   非会員:¥8,000-(税込)
開催概要

毎年恒例の人材開発白書の調査報告。2011は「戦略実行力」をレポートいたします。

 さて、多少乱暴ではありますが、企業の業績は、「戦略」×「実行」という式で表すことができます。
 画期的な戦略が策定されたとしても、実行されなければ果実を得ることはできないということです。さらにいえば、戦略策定方法や戦略定石が広く知れ渡るようになった今日においては、戦略自体で違いを出すことは難しくなってきています。企業業績の源泉はますます“戦略実行”へ移ってきていると考えられます。

 しかしながら、“どのような戦略にすべきか”という議論は、企業の中で頻繁になされるものの、“どうすれば実行させることができるか”という議論はあまりなされていません。

 今回の『人材開発白書2011』では、トップの意思と現場をつなぎ、現場での戦略実行を指揮するミドルマネジャーの役割に焦点を当て、27 社、計2,170 人の協力のもと、①現場メンバーの戦略実行度の実態、②ミドルマネジャーのマネジメントの実態を定量的に調査しました。
 メンバーの戦略実行を促すためには、ミドルマネジャーのマネジメントはどうあるべきでしょうか。調査・分析結果をもとに、みなさま方と一緒に考えたいと思います。


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