2009年10月31日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

長期プログラムの設計‐Ⅰ

テーマ セッション改善
開催日時 2009年10月31日(土)/14:00~17:00
会 場 エムシーヒューマネッツ 会議室
参加者 18名
講 師 東海大学 チャレンジセンター 講師/堀本麻由子氏
話題提供者 (株)日立総合経営研修所 HRDスペシャリスト/柳美里氏
ファシリテーター 堤 宇一 人材育成マネジメント研究会




■実施報告(HRDM会員:水元孝枝)

●分科会の進め方

本シリーズ分科会は、前半(7月より第1回~3回)、後半(10月より第4回~6回)の計6回の参加により、経験学習(行動から学ぶ、経験から学ぶ)理論を用いて、簡単な学習プログラムを設計できるようになることを目指して構成されています。

第5回の10月31日は、話題提供者が抱える研修企画・内容上の問題や課題に対して、受講者が改善提案を提出し、講師が選定した4つの改善提案を共有しながら議論を深めました。


●個性豊かな10件の改善提案

前回(分科会第4回)の受講者から、10件の改善提案が寄せられました。個人単位、およびグループ単位でアイデアが練られ、ユニークな作品が揃いました。 その中から4点の改善アイデアが発表されました。個性豊かな改善提案は、各人、各チームのより良い学習プログラムに向けてのこだわりとエネルギーに溢れて いました。


●発表内容

3名、1チームの改善提案の提供者<影山さん、石川さん、青山(誠)さん、横澤さん&水元>より、15分程度のプレゼン(質疑応答時間含む)を行っていただきました。プレゼン全体を通して以下のような改善提案が挙がりました。
 
 ◇学習目標、本研修の着地点を明確にする。
 ◇振り返りの内容が、本研修の学習目標とずれないように、講師はフレームや方向性を提示する。
 ◇受講者の振り返りに対して、講師は受容的態度だけではなく、的確なフィードバックをする。
 ◇2日間という限られた研修時間だけではなく、事前準備(問題点、課題をあらかじめ整理しておく、等)や事後課題(○ヶ月後のフォローや、現場での実践の振り返り等)を含めた学習プログラムを考える。
 ◇この研修では、スキルを学ぶということが主ではなく、「自己に必要なスキルを学ぶ方法を習得する」という視点を持つ。
 ◇判断者(批判者)や逃避者のスタンスではなく、学習者としてのスタンスで臨めるように、いろいろな条件を整える必要がある。(学習者自身の条件、場の条件、講師の条件、研修提供側の条件等)
 ◇受講者自身が、問題や課題を他責ではなく自責でとらえる必要がある。そのために、講師からの働きかけだけではなく、受講者同士の係わり合いによって、他者の視点を取り入れるようにする。
 ◇オリエンテーションを工夫し、受講者同士が自己開示できるような関係性を築く。


●検討ポイント

さらに4つの改善提案の発表から派生した以下のポイントについて意見交換をおこないました。

 ◇バラつきのある学習者に対して、それぞれどのレベルまでの振り返り、内省をめざすのか。
 ◇振り返りの手順をどうするか。
   (知識を得てから振り返るか?振り返りをしてからその理論的背景を説明するか?)
 ◇研修では何を学ぶのか。
   (内省し、気付きを得るのか?内省の仕方を学ぶのか?)


●まとめ

研修提供者や講師はよく、「受講者に気づかせる」と表現しますが、そもそも気づかせることができるのかどうかを考えた場合、「気づくのは受講者であり、そ のこと自体をコントロールするのは難しい。しかし、そのための学習環境作りをすることはできる」という認識合わせができました。

また、振り返りのメリットは「自分の問題点や課題を知り、自分のテーマを自分自身で見つける(自分に課題があるという認識が無い場合は、まずそこに気付い てもらうための支援をする)」にあるが、その変容には時間がかかり、さらに個人特性が大きく影響する。学習提供者、講師はそのことを十分に認識する必要が あり、忍耐強く接することを確認しました。


●話題提供者、柳さんより(第4回・第5回話題提供者からの一言コメント)
このたびは話題提供の機会をいただきましてありがとうございました。
研修改善のアイデアをいただくとともに、ふり返りの妥当な実施方法、短期間研修でのふり返りの有効性や限界をうかがい知ることができました。
また、第1回から第3回まで学習と議論を重ねてきた成人学習理論を現実の業務に適用していくイメージや押さえるべきポイントを得ることができましたのも、皆さまが具体的な改善アイデアを検討・披露くださり、それについて議論させていただけたためです。
この場を借りまして心より御礼申し上げます。

研修で多用される「ふり返り」。
それはいったい何のために、何を、どれだけ振り返ることでしょうか?
意識変容の学習としては三種類のふり返り─内容のふり返り・プロセスのふり返り・前提のふり返り─(メジロー、1991)があることなどを学びました。
そして、議論を通して、適切にふり返りができるように安心して語り合える環境の整備、参加者同士の関係性構築に注力する必要があることがわかりました。
これらを念頭に研修や演習の目標と合ったふり返りを考えていこうと思います。
皆さま、堀本さま、ありがとうございました。

柳美里(HRDM会員)


(報告:HRDM会員 水元孝枝)


開催日 2009年10月31日 (土)