2009年7月18日 (土)開催 | 基盤教育研究分科会

個人の視点から見たダイバーシティ・マネジメント

テーマ 個人の視点から見たダイバーシティ・マネジメント
開催日時 2009年7月18日(土)/14:00~17:00
会 場 明治大学 紫紺館
参加者 27名
講 師 元P&G シニアHRマネージャー 経営・人財コンサルタント/中村喜一郎氏
ナビゲーター 堤 宇一 人材育成マネジメント研究会




■実施報告(HRDM会員:水元孝枝)
●今回のわ談会

 最近いろいろなところで耳にすることの多い ダイバーシティ をテーマとして開催されました。

 講師は、経営・人材コンサルタントの中村喜一郎さん。
 かつてP&Gに勤務されていたときに日本人社員として、社内で初めて「父親による育児休業」を取得し、その経験が朝日新聞で「育休父さんの成長日誌」として連載、出版されました。
 
 「父親による育児休業」とお聞きし、思わず
  「時代は変わったんですねえ。 だって、中村さんはまだお若いから!」
 と言うと、
  「中村さんは、こう見えても○○歳で、結構いってるんですよ」
  と、HRDM理事2人が口を揃えて年齢を暴露し、二度びっくり。

  当時の世の中にしてみれば 「育休父さん」 がどれだけセンセーショナルな話題だったかが改めて想像できました。


●3時間のセミナーの構成は以下のとおりです。

1.講師の自己紹介

 もともとは理系出身で、商品開発が仕事だった中村さんがベルギーに赴任したとき、多様性に富んだ仲間(人種、性別、価値観、その他・・・)とチームを組むこととなりました。
 
 お互いの努力の結果、グローバルな世界でも「以心伝心」の関係を構築できたことがダイバーシティ・マネジメントの研究に足を踏み入れる きっかけとなったそうです。


2.ダイバーシティとは

 「皆さんはダイバーシティってどんなことだと思いますか?」

  まず最初の講師の問いかけについて、一人一人が持っているダイバーシティについての  認識をシェアしました。   女性の活躍の推進というイメージが多かったようですが、このセミナーでは、以下のように位置づけられました。

  "ダイバーシティとは?"
   → 多様な個性    → 私達一人一人が持ち寄る「違い」の総称
      (人種、性別、年齢、宗教・・・その他)

  "ダイバーシティ・マネジメント" 
   → 個々の違いを認め、受け入れ、活用すること 
      (Diversity&inclusion)

3.ビジネス戦略としてのダイバーシティ

 それでは、ダイバーシティ・マネジメントによって何が得られるのでしょうか?

 「人間としての働きがい、幸せ」 など、個人に関わることと、
 「多様な顧客のニーズによりよく応えることによるビジネスの伸張」
 「より優秀な人材の獲得」
 など、組織のメリットに関わることの双方が挙げられました。


 とは言っても、ダイバーシティ推進を邪魔するものとして
 
 ・同質性を尊ぶ人間の性
 ・混乱や衝突、まとまりの無さ
 ・会社、組織全体に浸透させる難しさ
  (旧カルチャーの中で育った中間管理職)

 などがあることも分かりました。


 ちなみに、P&G社では、「多様性をもって多様性を制す」という考えのもと、パフォーマンスに影響を与えない基準は取り除き、 C&D(Conect&Develop)によって商品力を高め、総売上げ、従業員一人当たりの生産性ともに向上させることに成功しているということです。


 まさに、生活用品を扱う業界ならではの成功事例という気がしました。


4.ダイバーシティ・マインド&スキル

 ダイバーシティを推進するステップとして
 ①認識(マインド)を変える
 ②行動(スキル)を変える
 ③結果が出る

 という3つのステップがあると同時に、常に認識を更新することが必要 ということでした。
 (今のベストが2~3年後のベストではないことを肝に銘じる)

 そして上記のステップを踏むために重要となるのが
 ・パーソナルリーダーシップ
  ①ビジョンを描く
  ②周囲を巻き込む
  ③力を引き出す
  ④強みを引き出す
  ⑤成果を挙げる
  ⑥内外で称える

 ・共感的リスニング
  →意識的にしっかり相手の話を聴くこと


 ということでした。


場所を懇親会に移し、さらに「ダイバーシティ」に関連する話題(それ以外も!)で盛り上がりました。

そして、
「これってまさにHRDMの中の多様性だよね!」
という発見があったことも収穫でした。

ダイバーシティという言葉がポピュラーになる以前から多様性を認め、受け入れることの大切さと難しさは多くの場所で存在していたと思います。

私が子どもを預けていた学童保育でも、
 ・知的障害のあるお子さんの受け入れ問題
 ・親が父母会活動に参加できないお子さんの受け入れ問題
 ・猫が嫌いな人と、飼いたい人との対立
 ・父母の喫煙者、嫌煙者との対立

など、多くの課題がありましたが、そのたびごとにとことん話し合い、
「真に子どもの成長を考えた場合、我々はどう決断すべきか」
を考えて乗り越えていた思い出があります。


ビジョンと、リーダーシップと、共感的リスニングはダイバーシティの土台であるということをあらためて確認したセミナーでした。

中村さん、どうもありがとうございました。


(報告:HRDM会員 水元孝枝)
開催日 2009年7月18日 (土)